平成30年度 <報告>
公開講座
わかる中医学勉強会
日程・場所: 平成30年10月6日(土) ウィリング横浜
講師: 邱 紅梅先生
テーマ: 身近な漢方薬 Ⅱ
内容:
(会報114号より)身近な漢方薬として使いこなせるよう、前回に続き4つの漢方薬について学んだ。
同じ薬であっても使う人の状態、年令季節により異なるので上手に加減することが大事である。
1 補中益気湯…補益剤…体力、免疫力がおちて、気が消耗した時に使う。プラスするとよいのは次の4点。
① 年をとったら、腎の気を補うことが大事。それには五加参がよい。
② 温性の薬なので、暑い時期、特に更年期の方々は、3回に1回位は涼性(西洋人参)の薬に変えるとよい。
③ 大棗を加え味をよくして心のパワーも上げる。
④ 冷えのある人には温めるものを加える。(肉桂、生姜、乾姜)
2 銀翹散…風熱のカゼに使う。タイミングよく使うと即効性がある。板藍茶はカゼの予防としてもよいが、プラス桑菊茶で効果を高める。コツとしてうがいをしながら長く口に含むとよい。
3 八味地黄丸…補陽剤…老化により冷えやすい人を温める薬。夜間の頻尿によいとよく広告してあるが附子が入っているので長期間飲むと色々副作用がでるのでよくない。長く使う時は八味地黄丸の代わりに六味地黄丸を使い附子の代わりに乾姜を使い、肉桂を加えるとよい。
4 芍薬甘草湯…痛みを止める薬。こむら返り、生理痛等。甘草の量が多いので水分代謝が悪くなる。長期間飲むのはよくない。
設立30周年記念講演会
日程・場所:平成30年10月20日(土) 横浜市健康福祉総合センター
講師: 辰巳 洋先生
テーマ:中医学から見た脳~若々しい脳と心のために~
内容:
(会報114号より)「脳と心」は関わりがあるとする中医学と、「心」は血液の循環という西洋医学の考え方の違いや、脳の構造や機能について具体的な例をはさみながら講義は始まりました。
脳と五臓・経絡との関係では、心だけでなく腎、肝、脾とも深い関わりがあること、特に心は「心には記憶力がある」というアメリカの心臓移植の例が印象的でした。
脳に関する弁証論治では10もの具体例を挙げて解説され、思い当たることがたくさんありました。
脳の養生では、ストレス解消、リラックス、体を鍛えて脳の血流を良くする、睡眠時間を保つという精神的な養生と、脳に良い食材や中薬を作用ごとに紹介され、いろいろなものを食べる大切さについても触れられました。
たくさんある食材の中で心に残ったのは、くるみで脳のような形をしており1日3~5個食べると脳に良いでしょうということでした。
また陳皮は乾して3年以上経ったもので5年後が良いということも勉強になりました。
中医学の長い歴史と奥深さを改めて感じ、理論に基づく薬膳の素晴らしさを学びました
中医薬膳学勉強会
日程・場所: 平成31年2月6日(水)
講師: 辰巳 洋先生
テーマ: 中医学からみた時間営養学
内容:
(会報114号より)時間営養学とは、中医学理論に基づく人体生命活動の周期を日月の満ち欠け、季節の変化、十天干、十二地支などから研究し、臨床診断・治療・予防・養生の指導に役立てる考え方です。
中医学の奥行きの深さを改めて痛感した勉強会でした。